長さ10・1センチ、幅3・5センチ、厚さ約1ミリの長方形の銅板で、裏面中軸線上に上下二個の環を取りつけているところをみると、ここに紐(ひも)の類を通して何かにとりつけてあったものと思われます。表面は金銅(こんどう)で,下方に蓮(れん)弁(べん)を刻み、その上に三尊(さんぞん)を種子(しゅじ)(梵(ぼん)字(じ)を一字あてて、その主尊を象徴する文字)で表現しています。三尊は上方にキリークを大きく現し、下方右に同じくキリークの異体を、左にアーンを並べて刻んでいます。上方は阿弥陀(あみだ)如(にょ)来(らい)、下方にはおそらく千手観音(せんじゅかんのん)と普賢菩薩(ふげんぼさつ)とを示したものとおもわれます。
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